RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

星を見よう2…2「月は地球の周りを回っているときに月自身も一回りする」

 10月4日(水)は中秋の名月です。旧暦の8月15日にあたり,芋名月とも言われています。また旧暦の9月13日の月を13夜と呼び,その日もお月見をする習慣があります。13夜の方は栗名月とも呼ばれています。今年は11月1日(水)です。昔の人は風流で,お月見は必ず2回するものだと言われていました。満月だけでなく,満月にちょっと足りない13夜の月見をするのも江戸っ子の粋だったのかも知れません。今よりも楽しみが少ないと思われる江戸時代には,お月見は一大行事だったようです。
 ところで,月の模様ですが,日本ではうさぎのもちつきと言われています。これは,日本だけでなく,中国,韓国でも同じように言われています。しかし,世界にはいろいろな民族があり,様々に想像されています。例えば,南ヨーロッパでは「カニ」,アラビアでは「ほえているライオン」, 北ヨーロッパでは「本を読むおばあさん」,アメリカ大陸の方では「ワニ」というように,同じ模様でも様々な見え方があるものです。月は地球に近いと思われがちですが,けっこう遠くにあります。地球を直径20センチのメロンだとすると,月は直径約5センチのみかん程度の大きさになります。メロンとみかんの距離は約6mになります。メロンのどこから見ても6m先のみかんの裏側は見えず,見えるのは表側だけです。このように,地球上のどこから見ても月の表の模様は同じものしか見えません。それなのに,国や民族が違うと,うさぎだったり,カニに見えたりしています。ただし,北半球と南半球では上下が反対に見えます。また北極に近かったり赤道に近かったりすると,角度もちょっと違って見えます。ひょっとすると,その微妙な違いや国民性によっていろいろな見え方になるのかも知れません。虹の色が日本では七色なのに,欧米では六色と言っているのと同じ感覚だと思われます。
 ところで,地球からは月の裏側は見えません。それはどうしてでしょうか。それは,月が地球の周りを回っているときに,月自身も一回りしているからです。
 図は月が地球の周りを回っている様子です。点が付いている方が月の表側です。月は常に地球に表側を向けながら地球の周りを回っています。今度は月が並んでいる図を見てください。点の位置が少しずつずれていて,A→Aの間に一周していることが分かります。もし,月が回っていないと,Eの位置では,地球からは月の裏側が見えることになりますが,実際に見えるのは表側です。このように,月は常に地球に表側を向けながら,地球の周りを27.32日で回っています。そして,同時に,月自身も27.32日をかけて1回転しています。
 実はこれは偶然ではありません。月の表側は重い岩石が多く,裏側には比較的軽い岩石が集まっていることが分かっています。地球の重力によって重い方が常に地球に向くようになったのではないかと考えられています。