RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

火星が地球に大接近

気仙沼市に上る月と火星

7月の夜空は,多くの惑星を見ることができてにぎやかですが,そのハイライトが15年ぶりの,火星の地球大接近です。7月31日に火星は地球と大接近します。
 火星は,地球のすぐ外側を回る軌道をもつ惑星です。地球のお隣の惑星と言えます。大きさは,地球の約半分です。地球と同じように,土や岩石の表面があり,海の存在は確認されていません。火星の周りには大気があり,その成分のほとんど,95パーセントが二酸化炭素です。窒素とアルゴンそれと微量ながら酸素も含まれています。火星表面の温度は平均でマイナス43℃です。
 火星と太陽の平均距離は約2億2千万キロメートルです。ちなみに地球と太陽の平均距離は1億5千万キロメートルです。地球は太陽の周りを1年かけて1周していますが,火星は687日で太陽の周りを1周します。火星の一日は約24.6時間で,ほとんど地球と同じです。同じといえば,地球と同じように自転軸が公転軸と傾いているため,火星にも季節があります。古くから,火星の北極・南極に白い極冠が観測されていたので,氷で覆われているのだと思われていましたが,火星の大気のほとんどが二酸化炭素であることから,現在では,極冠の氷は,二酸化炭素が凍ったもの,つまりドライアイスだということが分かっています。また,水の氷は極冠より広い範囲に凍土として分布していることも分かっています。極冠は多少大きな天体望遠鏡であれば,白い部分を見ることができます。
 火星は赤い色をしていますが,これは酸化鉄が原因です。酸化鉄は,赤さびのことです。火星の表面の岩石は酸化鉄のため,赤くなっています。探査機が火星に着陸したときの画像では,火星の空はピンクっぽい赤でした。おそらく,赤さびが空中に舞っているのでしょう。肉眼で見ると,火星は赤い星ですが,天体望遠鏡で見ても赤く見えます。
 さて,地球も火星も同じように太陽の周りを回っているのですが,2年2か月ごとに接近します。しかし,火星の軌道はかなりゆがんだ楕円なので,地球との距離が約6千万キロメートルの時もあれば,1億キロメートルを越すこともあります。距離が小さく,大きく見える時を大接近,1億キロメートル以上であまり大きく見えない時を小接近と呼ぶこともあります。今回の距離はは約5760万キロメートルですから,大接近中の大接近と言えます。このような大接近は2003年以来,15年ぶりです。火星は,日没後に東の空にその姿を見せます。マイナス2等級なのでかなり明るく輝いています。その後深夜には南の空,明け方には南西の空に移動しますが,一晩中見ることができます。この機会に赤く輝く火星を見ておきたいものです。なお,8月までは十分に明るいので,夏の間はまだまだ火星観望のチャンスは続きます。
気仙沼市から見たさそり座いて座と火星

※↓どれがどの星か分からない方のために線を引いてみました。

右がさそり座。赤い丸の中が一等星のアンタレス
真ん中がいて座。北斗七星のように見えるのが南斗六星
黄色い丸の中にあるのが土星
左側の丸の中,最も明るい星が火星です。