RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

小惑星探査機「はやぶさ2」の情報

震災以降,支援の関係でたくさんの方とお目にかかる機会があります。
今日は,JAXAの研究員の方と話す機会に恵まれました。
その方ははやぶさ2のプロジェクトの一員の方で,作成したカメラがはやぶさ2に搭載されています。
さて,はやぶさ2は小惑星リュウグウに向かっています。
すでにスイングバイも無事に終わり,順調に飛行中です。
今年の12月から,リュウグウに接近する軌道に入ります。
接近,着陸は来年の6月から7月の予定だそうです。
きっと,来年のそのころははやぶさ2の話題で盛り上がっていることと思います。
現在の仕事は,はやぶさ2から送られてくるデータを見て異常がないか確認することだそうです。
異常には大きく分けて2種類あり,ワーニング状態とエマージェンシー状態があるそうです。
ワーニングの場合はモニターの色が黄色に変わり,エマージェンシーの場合は赤に変わるそうです。
ワーニングが黄色って,よく見るような気がします。
幸いなことに,今回のはやぶさ2は今のところ順調なそうです。
これにははやぶさの経験が生きているそうです。
「失敗は必ずある。それを失敗に終わらせないことに意味がある。」と研究員の方が話してくださいました。
ちなみに,はやぶさ2で最もエネルギーを使うのがイオンエンジンで,約1Kwです。
次に電力を消費するのが無線機だそうです。
残念ながら,周波数等は秘密だそうです。
そりゃそうですね。
はやぶさ2の電波を受けるのは,長野県臼田にある電波望遠鏡です。
JAXAの場合は地球上で1カ所なので一日に8時間,全体の1/3の時間しか通信できないそうです。
来年の6,7月は太陽の方向にはやぶさ2が位置するそうなので,昼間に通信できるそうです。
S/N比やアンテナのゲインも話もあり,かなり興味深かったです。
それにしても日本の無線技術は素晴らしいと思いました。
サテライト通信をやっているだけに,宇宙からの電波をとらえることの難しさは理解しています。
ドップラーシフトは基本中の基本です。
また,はやぶさは本体も体験に突入して燃え尽きてしまいましたが,今回のはやぶさ2は本体は体験に突入しない予定だそうです。
その後どうするのかは,戻ってきた時点での燃料の残量や機体のダメージの具合によるそうです。
さて,アマチュア無線家は月からの信号を受けることができるのか?という話がありました。
答えは○です。ただし,出力が弱いと雑音が混じることと,月からの電波は月が地球の周りを回っているので電波にドップラー効果がでるのでその補正をしなければならないこと。
それらがクリアになれば月からの信号受信のハードルはそれほど高くありません。と答えました。
現に地球周辺を回っていてアマチュア無線の電波を出している衛星はたくさんあります。
アマチュア無線が役に立つのならこれほど嬉しいことはありません。