RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

星を見よう2…7「夕方西の空に夏の大三角」

ちょっと季節がずれてしまいました。
九州にいるうちに掲載されたので気づくのが遅れました。
 
 11月下旬は,夕方,月明かりがあって残念ながら,星を見るにはあまりよくない条件になっています。でも,明るい星は十分に見ることができます。夕方,西の空に夏の大三角が見えていますので紹介します。
 夏の大三角は,その名前の通り,夏に見頃の星々です。こと座のベガ,はくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルという3つの一等星でつくる三角です。夏の間は,ほとんど真上に見えていました。それが,毎日少しずつ西に移動し,やがては太陽と一緒に沈んで見えなくなるのが普通です。でも,太陽も少しずつ沈む時刻を早めています。夏ですと,空が暗くなって星が見え始めるのが午後8時以降ですが,11月の下旬には午後5時前には星が見えるようになります。ですから,早い時刻から星が見えるので,冬近くになっても西の空に夏の大三角を見ることができます。真上の空ですと,顔を思いっきり上に向ける不自然な姿勢でないと見ることができません。その点,低い空であれば,それほど見上げる必要がなく夏の大三角を見つけることができます。それに,今年の夏は雨や曇りの日が多く,十分に夏の星を楽しむことができませんでした。そういう意味でも,西の空に残っている夏の星々を楽しみましょう。
 夏の大三角の中で最も明るいのがこと座のベガです。次がはくちょう座のデネブ,わし座のアルタイルの順です。夏の大三角の真ん中を天の川が流れています。天の川を挟んだ反対側にあるのがわし座のアルタイルです。天の川と言えば七夕です。こと座のベガが織り姫,わし座のアルタイルが彦星です。サッカーチームのベガルタ仙台はこのベガとアルタイルからつけられた名前です。
 ベガの明るさは0.0等級で,気仙沼から見える一等星の中では,おおいぬ座シリウスうしかい座アークトゥルスに次いで,3番目に明るい星です。地球からの距離は約25光年と比較的近くにある恒星です。
 はくちょう座のデネブは,1.3等級で21ある一等星の中では明るい方ではありません。地球からの距離は3200光年もあります。これはかなり離れています。ほとんどの一等星までの距離は100光年以内ですから,デネブは群を抜いて遠くにあることになります。それでも一等級の明るさで見えるというのは,デネブそのものは,ものすごく明るい星だということを意味しています。デネブが放出しているエネルギーは太陽の数万倍以上といわれています。銀河系の星の中でも1・2位を争う明るさの星です。
 わし座のアルタイルは,0.8等級で,一等星の中では真ん中くらいの明るさです。地球からの距離は約17光年ですから,夏の大三角の星の中では最も地球に近い星です。アルタイルの自転周期は約10時間といわれています。太陽が約30日ですから,かなりの速さです。近くで見たら自転の速さで,みかんのような感じに見えるかも知れません。また,地球から見ると動きの速い星で,10万年後にはいるか座に移動するといわれています。織り姫であるベガの方に動いていないというのはちょっとショックですね。ま,それが自然界なのかも知れません。