RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

星を見よう2…7「しし座流星群」

長い間星を見てきましたが,自分の中でのハイライトは何と言っても2001年のしし座流星群です。普通の流れ星は1時間に10個,つまり6分に1個くらいの感覚で流れ星を見ても満足します。それが,1時間に60個,1分間に1個も流れたら大満足です。しかし,2001年のしし座流星群は1分間に60個,つまり,1秒あたり1個の流れ星が出現したと言われています。次から次へと降る流れ星にまるで星のシャワーのような感覚で見ました。このような大出現を流星雨,流星嵐と呼びます。
 しし座流星群は33年ごとに大出現をすることで有名でした。1966年に大出現したので次は,1999年と期待されていました。その年は,確かに活発な活動は見られましたが,それ以上の大出現を見せたのは2001年でした。33年周期からは外れているので誰も期待していませんでしたが,この大出現を予測した科学者がいます。イギリスのデビッド・アッシャー博士です。流星群の元は彗星が地球の軌道付近にばらまいていったチリです。彗星は汚れた雪だるまのような天体で,太陽に近づくと,雪や氷が溶けて軌道上にばらまかれ,尾のように見えるもの(ダストテイル)と,太陽の光や熱によってイオンとなったものが光るイオンテイルがあります。比較的まっすぐなものがイオンテイル,曲がりながら広がりのあるものがダストテイルです。デビット・アッシャー博士はこのダストテイルの位置を詳しく計算し,2001年には大出現があると予告したのです。結果はまったくの予告通りでした。
 昨年大ヒットした映画「君の名は」にも彗星は登場します。その時の彗星の尾は何本あったか気づきましたか。正解は2本です。「君の名は」ではイオンテイルが青くまっすぐ縦に伸びていて,ダストテイルが虹のように輝いて幅広く,長い尾として表現されていました。ですから,あれだけ長い尾が地球軌道上にあったら,ものすごい数の流れ星が見られたことでしょう。さて,その後,しし座流星群だけでなく,他の流星群でもダストテイルの位置を元に流星群の予想が行われるようになりましたが,2001年のしし座流星群を上回る流星群は出現していません。では,今年のしし座流星群はどうでしょうか。残念ながら,1時間に数個程度の流れ星との予想です。流星雨の予報は2030年以降と,まだまだ先のことです。しかし,今年のしし座流星群が極大を迎える11月18日の未明,つまり,17日の夜は月の明かりに邪魔されることなく星空を楽しむことができます。しかも,18日は土曜日です。しし座流星群の楽しみは想像もできなかった大出現をときどき見せることにあります。予想は外れることもあります。まぁ,流れ星を見られたら儲けと思って11月のきれいな星空を眺めるのもよいと思います。
 しし座は午前0時頃に東の空から上ってきます。しし座にはレグルスとデネボラという二つの一等星があります。左隣には北斗七星も上ってきています。そして,頭上には,冬の星座が燦然と輝いています。一等星の数を数えるだけでも楽しいですし,それぞれの星の色や輝きの違いも楽しめることができます。ただし,かなり寒いので防寒対策必須です。