RFF無線日記(リスタート版)

アマチュア無線局JR7RFFの無線日記 各地の移動記録や天文・星なども

星を見よう2…6「おうし座がきれいに見える季節」


11月になると,夜は寒さが身にしみるようになりますが,星を見るのに適した時期でもあります。それは,東北地方の太平洋側はかなりの確立で晴天の日が多いからです。昼間の日光もうれしいのですが,実は夜は長い時間にわたって星を楽しめるチャンスでもあります。
 オリオン座やおおいぬ座などの冬の星座は夜遅くにならないと上ってこないのですが,東の空には,ぎょしゃ座やおうし座が早い時刻から見ることができます。
 この時期におすすめなのはおうし座です。おうし座は星占いの星座のひとつで4月末から5月生まれの人が該当します。これは,その星座に太陽が位置していることを意味しています。ですから,4月末から5月のおうし座は昼間に出ていることになります。昼間は明るいのでその全体を見ることはできません。実際のおうし座の見頃は今の季節です。特に,おうしの背中の部分にあたるM45プレアデス星団はかなりきれいで目立ちます。6つの星がこちゃこちゃと集まっているので,見つけやすいと思います。暗くなったら,東の空を見ると簡単に見つけることができます。もちろん,天体望遠鏡や双眼鏡を使わなくても,肉眼で楽しめます。ただし,今年の11月上旬は月があります。11月8日を過ぎると,月が出る時刻が遅くなってくるので,それからが星を見るチャンスです。
 M45のように,星がこちゃっと集まっているのを散開星団といいます。おうし座のM45は明るくて目立つので,洋の東西を問わず注目されていたようです。プレアデスというのはギリシャ神話の7人姉妹の名前ですし,昴は中国では,天の赤道帯を28に区分した二十八宿の一つに数えられていて,昴宿と呼ばれています。日本では「すばる」や「六連星(むづらぼし)」と呼ばれ,清少納言枕草子では「星はすばる」と真っ先に紹介されています。肉眼では6〜7個程度の星の集まりですが,双眼鏡や望遠鏡で見ると,さらに多くの星を数えることができます。M45は写真で撮ってもきれいです。特に,真っ青な星とそれを取り巻く雲状のベールがより神秘的な美しさとなっています。若い頃は,生まれたばかりの星々なので雲状のものに包まれていると教わったような気がしましたが,最近では雲状のものはM45と偶然同じ方向にあるために星を包んでいるように見えるということだそうです。いずれにしろ,M45の星々は生まれたての星であることは間違いありません。誕生してからまだ1億年未満だそうです。太陽は生まれて50億年ですから,確かに生まれたてです。
 さて,おうし座にはもうひとつの散開星団があります。それはヒヤデス星団です。図ではプレアデス星団の下に見えます。Vの字を横にしたような形の星の集まりです。おうし座では,うしの顔の部分にあたります。端の明るい星はおうし座の一等星アルデバランです。実際はヒヤデス星団の星ではなく,これも偶然同じ方向にあります。アルデバランの方がずっと近くにあるため,明るく見えています。プレアデス星団が生まれたての星なのに対し,アルデバランは生まれてからかなりの年数が経っています。赤い星のほとんどはみんな同じで,赤く大きく膨らんでいるので赤色巨星と呼ばれています。M45とアルデバランがあるのでおうし座は見つけやすいと思います。
 おうし座の左側にはぎょしゃ座の長く伸びた五角形を見つけることができます。中でも明るいのがぎょしゃ座の一等星カペラです。一等星の中でも明るい方ですし,北の方にあるので,長い期間見ることができます。五角形にちょこんと腕の生えたようなぎょしゃ座をぜひ見つけて欲しいと思います。